○第三セクター



第三セクター鉄道とは、第三セクター方式で運営される鉄道会社のことである。
本来は国や地方公共団体が経営する公企業を第一セクター、
私企業を第二セクターとするのに対し、それ以外の法人という意味であるが、
一般的には国や地方公共団体と民間が合同で出資・経営する企業を第三セクターという。
第三セクター鉄道は以下のように分類できる。

 1.旧国鉄やJRの赤字ローカル線である特定地方交通線、及び建設中に凍結された工事路線を引き継いだもの。
 2.整備新幹線の開業に伴い、JRから分離された並行在来線区間を引き継いだもの。
 3.赤字の私鉄路線を引き継いだもの。
 4.臨海工業地帯の貨物鉄道のため、旧国鉄やJR貨物が沿線自治体と荷主企業の共同出資で設立した臨海鉄道。

国土交通省のホームページで紹介されている「地方鉄道・第3セクター」で現有路線は37社。


青い森鉄道

2002年の東北新幹線八戸延伸によりJR東日本から分離された並行在来線のうち、
青森県内の目時−八戸缶を引き継いで誕生した第三セクター鉄道である。
青森県が発行株式の68.8%を所有し、青森市、八戸市、三沢市などの地元自治体、JR貨物、地元企業などが株主となっている。
青森県が線路などの鉄道施設を所有する第三種鉄道事業者となり、
青い森鉄道は青森県から鉄道施設を借り受けて鉄道事業を運営する“上下分離式”を採用している。
2010年12月4日の東北新幹線全線開業により、八戸−青森間も引き継ぐこととなった。
岩手県内の並行在来線を引き継いだIGRいわて銀河鉄道と一体で運行を行っている。

 青い森鉄道線/目時−青森121.9km

 青い森701系

2両編成×9本=18両が在籍。JR東日本701系と同一仕様で、
7編成がJR東日本からの譲受車で、2編成が自社発注新造車である。

 青い森703系

JR東日本のE721系をベースに自社発注した交流近郊形電車。
制御電動車青い森703形+制御車青い森702形の2両編成。
2両編成×2本=計4両が新造、20m級、ステンレス製の軽量構体、
セミクロスシート、片側両開き3扉、電気方式は50Hz、20,000V、
機関はMT76形直流直巻主電動機、機関出力125kW、
IGBT素子VVVFインバータ制御、TDカルダン駆動。

青い森701系
青い森鉄道線
青い森701系
青い森鉄道線
青い森703系
青い森鉄道線


 仙台空港鉄道

仙台空港鉄道は仙台空港へのアクセス鉄道として2000年4月7日に発足した、
宮城県が発行株式の50%以上を所有する第三セクター鉄道である。
東北本線名取から仙台空港までの仙台空港線が2007年3月18日に開業した。

 仙台空港線/名取−仙台空港7.1km

 SAT721系

2両編成×3本=6両が在籍。JR東日本E721系500番台と同一仕様で、
車両管理はJR東日本仙台車両センターに委託、JR東日本車と共通運用されている。

仙台空港鉄道
SAT721系
仙台空港線


 IGRいわて銀河鉄道

IGRいわて銀河鉄道は東北新幹線八戸延伸時にJR東日本から分離された盛岡−八戸間のうち、
岩手県内の八戸−目時間を引き継いだいわて銀河鉄道線を運営する第三セクター鉄道である。
2001年5月25日に設立され、2002年12月1日にいわて銀河鉄道線を開業した。

 いわて銀河鉄道線/盛岡−目時82.0km

 IGR7000形

2両編成×7本=14両が在籍。JR東日本701系と同一仕様で、
4編成がJR東日本からの譲受車で、3編成が自社発注新造車である。

車両番号 JR東日本時代の車両番号 車内アコモ 備考
IGR7001-1+IGR7000-1 クモハ701-1038+クハ700-1038 ロングシート 譲受車
IGR7001-2+IGR7000-2 クモハ701-1039+クハ700-1039 ロングシート 譲受車
IGR7001-3+IGR7000-3 クモハ701-1040+クハ700-1040 ロングシート 譲受車
IGR7001-4+IGR7000-4 クモハ701-1041+クハ700-1041 ロングシート 譲受車
IGR7001-5+IGR7000-5 セミクロスシート 新造車
IGR7001-6+IGR7000-6 セミクロスシート 新造車
IGR7001-7+IGR7000-7 セミクロスシート 新造車


IGR7000系
IGRいわて
銀河鉄道線


 阿武隈急行

阿武隈急行は未完成だった国鉄丸森線を引き継いで誕生した第三セクターである。
丸森線は東北本線のバイパス線として槻木から丸森を経由して福島に至る路線として計画され、
1968年4月1日に槻木−丸森間の17.4kmが非電化路線として開業した。
しかし1980年の国鉄再建法により、第1次特定地方交通線として工事は凍結され、
翌年9月11日に廃止が承認された。
それを受けて宮城県と福島県が中心となり、阿武隈急行が設立され、
丸山線を引き継いで阿武隈急行線として1986年7月1日に転換開業した。
1988年7月1日には丸森から福島までの37.5kmも完成して全通し、
また同時に交流電化も達成した。

 阿武隈急行線/福島−槻木54.9km

 8100系

阿武隈急行線全線開業に合わせ、1988年に登場した交流近郊形電車である。
2両編成×9本=18両が日本車輌製造により製造された。
国鉄713系をベースに設計され、制御電動車AM8100形+制御車AT8100形で組成される。
20m級、片側2扉、セミクロスシート、交流20,000V、50Hz、主電動機MT61、サイリスタ位相制御。

 A417系

運用から離脱したJR東日本の417系を購入して2008年10月30日から運用を開始した。
3両編成1本を購入、8100系に準じた塗色に変更した。

JR時代の車両番号 阿武隈急行の車両番号
クハ416-1 AT418
モハ416-1 AM417-2
クモハ417-1 AM417-1


8100形
阿武隈急行線


 会津鉄道

国鉄再建法により第二次特定地方交通線に指定された会津線を引き継ぎ設立された第三セクターで、
1986年11月10日に会社設立され、JR東日本の会津線を引き継いで開業した。
1990年には会津田島−会津高原間を電化して野岩鉄道や東武鉄道との直通運転も開始された。

 会津線/西若松−会津高原57.4km

 6050系200番台

東武鉄道6000系の車体更新によって1985年10月から1986年10月にかけて誕生した近郊形電車。
主電動機、台車などは6000系から流用、制御器、抵抗器は新造。
セミクロスシート、モハ6150形+クハ6250形の2両編成で、2両編成×1本=2両が存在する。
営業最高速度110km/h、主電動機はTM-63形直流直巻補極補償巻線付電動機、モーター出力130kW×4基、
抵抗制御、可撓継手式中空軸平行カルダン駆動。


 北越急行

北越北線の名で工事が進められ、開通することなく「国鉄経営再建促進特別措置法」による中止された路線を受け継ぎ、
新潟県や地元上越市、十日町市、湯沢町、南魚沼市、津南町及び地元企業によって設立された第三セクター。
1983年8月30日に設立され、1997年にはほくほく線全線が開業した。
非電化単線の計画線を電化・高規格化して建設し、在来線では初めて特例として160km/hの運転が許されている。
越後湯沢から金沢などを結ぶ特急「はくたか」は首都圏と北陸方面を結ぶ乗り継ぎ線として人気を博していて、
第三セクターでは珍しく黒字を計上している。

 ほくほく線/六日町−犀潟59.5km

 HK100形

1997年の北越急行開業時に併せて誕生した普通及び快速用の一般型車両である。
全車が新潟鐵工所及び新潟トランシスで製作され、開業時に0番台9両が新造、1998年4月1日に1両増備、
2003年4月19日に100番台2両が増備された。
0番台は両運転台でセミクロスシート、HK100-8、HK100-9はイベント対応車で転換クロスシートである。
2002年8月、HK100-9がプラネタリウム列車「ほしぞら」に改造、
100番台は片運転台、2両固定で転換クロスシート、「ゆめぞら」の愛称がある。
20m級、営業最高速度110 km/h、主電動機MT68形、モーター出力95kW、VVVFインバータ制御、

 681系2000番台

JR西日本が開発した681系を導入した160km/hの最高速度を誇る交直流特急形車両である。
交流60Hz区間の北陸での運用を考慮して設計され、基本編成6両、付属編成3両である。
普通鋼製、先頭車両は非貫通型と貫通型が存在する。
主電動機はかご形三相誘導電動機WMT103、モーター出力220kW、
制御装置はサイリスタ位相制御コンバータ+電圧型PWMGTOサイリスタ-VVVFインバータ制御、WNドライブ駆動。
JR西日本に管理を委託しており、JR西日本車と共通運用で「はくたか」などに運用。
基本編成は6両編成×2本=12両、N01編成、N02編成、付属編成は3両編成×2本=6両、N11編成、N12編成が在籍する。
“Snow Rabbit Express”の愛称が付けられている。

 683系8000番台

JR東日本所有の485系3000番台「はくたか」を置き換えるために、
JR西日本が開発した683系を導入した160km/hの最高速度を誇る交直流特急形車両である。
アルミニウム合金製ダブルスキン構造、先頭車両は非貫通型と貫通型が存在する。
主電動機はかご形三相誘導電動機WMT103、モーター出力220kW、
制御装置はPWMコンバータ+PWM IGBT素子VVVFインバータ制御、WNドライブ駆動。
JR西日本に管理を委託しており、JR西日本車と共通運用で「はくたか」などに運用。
基本編成は6両編成×1本=6両、N03編成、付属編成は3両編成×1本=3両、N13編成が在籍する。
“Snow Rabbit Express”の愛称が付けられている。

HK100形
ほくほく線
HK100形
「ほしぞら」
681系2000番台
「はくたか」
683系8000番台
「はくたか」


 えちごトキめき鉄道

2015年3月14日の北陸新幹線金沢延伸に伴い、
並行する信越本線および北陸本線の新潟県内区間を転換した。
信越本線妙高高原から直江津までを転換した妙高はねうまラインは直流電化路線、
北陸本線市振から直江津までを転換した日本海ひすいラインは全線電化区間だが、
市振から糸魚川までは交流60Hz、糸魚川から直江津までは直流で電化している。
そのため日本海ひすいラインでは気動車を使用している。

 日本海ひすいライン/市振−直江津 59.3km
 妙高はねうまライン/妙高高原−直江津 37.7km

 ET127系電車

JR東日本の新潟地区で活躍した一般形直流電車E127系0番台を低価格で移管することになり、
V1、V2、V3〜V11編成の2両編成×10本=20両が2015年3月に譲渡された。
20m級、ステンレス車体、片側3扉、ロングシート、主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力120kW、
GTO素子VVVFインバータ制御、TD平行カルダン駆動方式。

ET127系
妙高はねうまライン
ET127系
妙高はねうまライン


 野岩鉄道

野岩鉄道は国鉄日光線今市駅と会津線会津滝ノ原を結ぶ計画線の野岩線のうち、
既に建設が進んでいたものの国鉄再建法により工事が凍結された藤原−会津滝ノ原間を引き継ぎ、
福島県、栃木県、東武鉄道などが主要株主となり1981年11月20日に設立された。
野岩鉄道の“野岩”は“やがん”と読み、栃木県の旧国名“下野(しもつけ)国”ち福島県会津地方の旧国名“岩代国”から取られている。
1982年1月16日から工事を再開し、1985年4月26日に路線名を“会津鬼怒川線”と命名、1986年10月9日に全線開業した。
開業と同時に東武鉄道鬼怒川線、日光線、伊勢崎線と直通運転開始、
1990年10月12日には会津鉄道会津線の会津高原(現・会津高原尾瀬口)から会津田島までが電化し、直通運転を開始した。

 会津鬼怒川線/新藤原−会津高原尾瀬口30.7km

 6050系100番台

東武鉄道6000系の車体更新によって1985年10月から1986年10月にかけて誕生した近郊形電車。
主電動機、台車などは6000系から流用、制御器、抵抗器は新造。
セミクロスシート、モハ6150形+クハ6250形の2両編成で、2両編成×1本=2両が存在する。
営業最高速度110km/h、主電動機はTM-63形直流直巻補極補償巻線付電動機、モーター出力130kW×4基、
抵抗制御、可撓継手式中空軸平行カルダン駆動。


 しなの鉄道

北陸新幹線の高崎から長野までの区間、通称長野新幹線が1997年10月1日に開業の際、
並行在来線の経営分離により、軽井沢−篠ノ井間を引き継いで誕生した。
同時に経営分離された横川−軽井沢間はEF63型重連による補機を必要としていたため、廃止された。
1996年5月1日に設立され、長野新幹線開業と同時にしなの鉄道線が開業した。

 しなの鉄道線/軽井沢−篠ノ井駅65.1km

 115系

JR東日本から転換される時に国鉄形115系3両編成×11本=33両を譲り受けた。
115系は111系をベースに主電動機を120kWに出力を増強し、山岳地帯、寒冷地区用に開発した直流近郊形電車である。
113系と同時期に開発され、113系に抑速ブレーキを搭載し、耐寒耐雪構造を採用している。
貫通型、片側4扉、セミクロスシート、最高速度は100km/h、高速化改造車は110km/h、
MT54形直流直巻整流子電動機、抵抗制御、中空軸平行カルダン駆動方式。

編成 車両番号 備考
S1編成 クモハ115-1004+モハ114-1007+クハ115-1004
S2編成 クモハ115-1012+モハ114-1017+クハ115-1011
S3編成 クモハ115-1013+モハ114-1018+クハ115-1012
S4編成 クモハ115-1066+モハ114-1160+クハ115-1209
S5編成 クモハ115-1069+モハ114-1166+クハ115-1212
S6編成 クモハ115-1002+モハ114-1003+クハ115-1002
S7編成 クモハ115-1018+モハ114-1023+クハ115-1017
S8編成 クモハ115-1529+モハ114-1052+クハ115-1021 ※2014年7月11日「ろくもん」に改造
S9編成 クモハ115-1527+モハ114-1048+クハ115-1223
S10編成 クモハ115-1067+モハ114-1162+クハ115-1210
S11編成 クモハ115-1020+モハ114-1027+クハ115-1019

 169系

JR東日本から転換される時に国鉄形169系3両編成×3本=9両を譲り受けた。
その後1998年にJR東日本から3両編成×1本が譲渡、3両編成×4本=12両が在籍していた。
169系は165系急行形に信越本線横川−軽井沢間の補助機関車EF63型電気機関車と協調運転の設備を搭載した形式。
横川−軽井沢間は廃止されたために協調運転は行われないが、形式名はそのまま残された。
それ以外は165系と同一の性能を有していて、貫通型、片側3扉、セミクロスシート、最高速度は130km/h、
MT54形直流直巻整流子電動機、モーター出力120kW、抵抗制御、中空軸平行カルダン駆動方式。

編成 車両番号 備考
S51編成 クモハ169-1+モハ168-1+クハ169-27 ※2013年3月廃車、坂城駅にて静態保存
S52編成 クモハ169-6+モハ168-6+クハ169-19 ※クハ169-19のみ軽井沢駅にて静態保存
S53編成 クモハ169-23+モハ168-23+クハ169-20 ※2013年4月に廃車
S54編成 クモハ169-13+モハ168-13+クハ169-13 ※1998年JR東日本から譲渡、2012年廃車


 SR1系

JR東日本から譲渡された115系置き換えのため、2020年7月4日から運用された、
しなの鉄道自社発注の新造車で、JR東日本129系をベースとしている。
ライナー運用に充当されている100番台、一般車両の200番台、300番台が存在する。
内装は100番台がロングシートとクロスシートの転換可能なデュアルシートを採用、
一般車両の200番台、300番台はロングシートと固定クロスシートのセミクロスシートとなっている。
200番台で採用されていた霜取りパンタグラフが300番台では省略されている。
100番台は2両編成×3本=6両が2020年に登場、S101からS103に付番、
200番台は2021年2月から2両編成×4本=8両が登場、S201からS204に付番、
300番台は2021年11月から2両編成×3本=6両が登場、
S301からS303に付番、2023年3月から2両編成×3本=6両が追加、
S304とS306に付番され、今後も増備が計画されている。
製造は総合車両製作所横浜事業所、「sustina」S23シリーズ車体採用、
最終的に2両編成×23本=46両が導入予定である。
直流1,500V、軽量ステンレス車体、主電動機はかご形三相誘導電動機TDK6325-B型主電動機、
主電動機出力140kW、制御装置は東洋電機製造RG6047-A-M、
制御方式はIGBT素子VVVFインバータ制御、駆動方式はTD平行カルダン駆動方式。


115系
しなの鉄道線
115系S8編成
「ろくもん」
169系
しなの鉄道線
SR1系
しなの鉄道線


 東京臨海高速鉄道

東京臨海高速鉄道は東京都が90%以上の株式を所有する第三セクター鉄道であり、
そのほかJR東日本、品川区、銀行11社、証券会社10社、生保会社15社、損保会社9社、その他5社が出資している。
現在のりんかい線は国鉄が東京外環状線の一部となる京葉貨物線として計画され、
工事が完成していたにも拘わらず、旅客転用されなかった新木場から東京貨物ターミナルまでを引継ぎ、
旅客線として開業させるために設立された。
この時、東京臨海副都心地区ので開催が予定されていた世界都市博覧会の輸送を担うことも期待されていたが、
都市博は1995年に中止が決定された。
第1期区間として新木場−東京テレポート間が1996年3月30日に開通した。
開業当時の路線名は臨海副都心線であったが、2000年からりんかい線に改称された。
新規工事も行われ、2001年3月31日には天王洲アイルまで延伸、
2002年12月1日には大崎まで延伸し、埼京線との相互乗り入れも開始された。

 りんかい線/新木場−大崎12.2km

 70-000形

1996年3月30日のりんかい線開業に合わせて誕生した通勤形電車である。
東京臨海高速鉄道に90%を出資する東京都の都営電車と同じ表記方法が用いられ、“ななまんがた”と読む。
保守をJR東日本に委託する関係上、基本設計をJR東日本209系と共通化されている。
誕生当時は4両編成で、2001年までに4両編成×6本=24両が誕生、
2002年12月1日の全線開通、埼京線直通に併せて6両、10両編成化され、
10両編成×4本=40両を新造、中間車16両を新造、10両編成5本と6両編成6本に組成、
2004年10月16日のダイヤ改正で全編成が10両編成化され、10両編成×8本=80両となり、
余剰車はJR東日本に売却され、中間車を新造して209系3100番台となった。
20m級、主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力95kW、
GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御、TD平行カルダン駆動。


 埼玉高速鉄道

帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)南北線の埼玉延伸のため1992年3月25日に設立された。
当初は2006年開業を目指していたが、
埼玉スタジアム2002がFIFAワールドカップの開催会場の一つとして選ばれたことから、
工期を短縮して2001年3月28日に埼玉高速鉄道線、愛称彩の国スタジアム線が開業した。

 埼玉高速鉄道線(彩の国スタジアム線)/赤羽岩淵−浦和美園14.6km

 2000系

埼玉高速鉄道が自社発注した通勤型電車で、
直通する帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)南北線、東京急行電鉄、東京都交通局で直通するため、
ATOやホームドアによるワンマン運転など、仕様を合わせて設計された。
直流1,500V、主電動機はかご形三相誘導電動機・190kW、制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御、1C1M制御、
駆動装置はWN平行カルダン、ブレーキ方式はATC連動電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)である。

編成 車両形式
2100形 2200形 2500形 2600形 2700形 2800形
2101編成 2101 2201 2501 2601 2701 2801
2102編成 2102 2202 2502 2602 2702 2802
2103編成 2103 2203 2503 2603 2703 2803
2104編成 2104 2204 2504 2604 2704 2704
2105便意 2105 2205 2505 2605 2705 2805
2106編成 2106 2206 2506 2606 2706 2806
2107編成 2107 2207 2507 2067 2707 2807
2108編成 2108 2208 2508 2608 2708 2808
2109編成 2109 2209 2509 2609 2709 2809
2110編成 2110 2210 2510 2610 2710 2810


形式 搭載機器 車両重量
2100形 CT-1 空気圧縮機、蓄電池 26.4t
2200形 M1-1 制御装置、補助電源装置 31.1t
2500形 Tc1   22.2t
2600形 M1-3 制御装置、補助電源装置 31.4t
2700形 M1-4 制御装置、蓄電池 30.2t
2800形 CT2 空気圧縮機 25.9t


2000系
東急目黒線


 東葉高速鉄道

営団地下鉄(現・東京メトロ)の延伸路線として計画された西船橋−勝田台の区間を受け継ぎ、
地元の千葉県、船橋市、八千代台市や京成、東武、新京成、営団地下鉄などが株主となって設立した第三セクター。
会社設立は1981年9月1日だが全線開業したのは1996年4月27日になってからである。
用地買収などが思ったより難航し、開業に15年もかかってしまった。
一部を除いて東京メトロ東西線と直通する。

 東葉高速線/西船橋−東葉勝田台16.2km

 1000系

同社開業に合わせて1995年に帝都高速度交通営団東西線で使用されていた5000系10両編成10本を譲受し、整備改造した。

編成 車両形式 運用終了後
01編成 1011+1012+1013+1014+1015+1016+1017+1018+1019+1010 2005年4月6日廃車
02編成 1021+1022+1023+1024+1025+1026+1027+1028+1029+1020 2005年11月21日廃車
03編成 1031+1032+1033+1034+1035+1036+1037+1038+1039+1030 廃車日不明
04編成 1041+1042+1043+1044+1045+1046+1047+1048+1049+1040 2005年12月5日廃車
05編成 1051+1052+1053+1054+1055+1056+1057+1058+1059+1050 2005年11月27日廃車
06編成 1061+1062+1063+1064+1065+1066+1067+1068+1069+1060 2006年12月4日離脱→インドネシアに売却
07編成 1071+1072+1073+1074+1075+1076+1077+1078+1079+1070 2006年1月30日廃車
08編成 1081+1082+1083+1084+1085+1086+1087+1088+1089+1080 2006年11月中旬離脱→インドネシアに売却
09編成 1091+1092+1093+1094+1095+1096+1097+1098+1099+1090 2006年10月27日離脱→インドネシアに売却
10編成 1011+1012+1013+1014+1015+1016+1017+1018+1019+1010 2005年1月17日廃車

 2000系

2004年より導入された新造車で東京メトロ05系13次車と共同開発した。

編成 車両形式 製造年度
2101編成 2101+2201+2301+2401+2501+2601+2701+2801+2901+1010 2004年度
2102編成 2102+2202+2302+2402+2502+2602+2702+2802+2902+2002
2103編成 2103+2203+2303+2403+2503+2603+2703+2803+2903+2003
2104編成 2104+2204+2304+2404+2504+2604+2704+2804+2904+2004 2005年度
2105編成 2105+2205+2305+2405+2505+2605+2705+2805+2905+2005
2106編成 2106+2206+2306+2406+2506+2606+2706+2806+2906+2006
2107編成 2107+2207+2307+2407+2507+2607+2707+2807+2907+2007
2108編成 2108+2208+2308+2408+2508+2608+2708+2808+2908+2008 2006年度
2109編成 2109+2209+2309+2409+2509+2609+2709+2809+2909+2009
2110編成 2110+2210+2310+2410+2510+2610+2710+2810+2910+2010
2111編成 2111+2211+2311+2411+2511+2611+2711+2811+2911+2011


1000系
東葉高速線
2000系
東葉高速線


 芝山鉄道

成田国際空港が中心となって千葉県、京成電鉄、日本航空、芝山町などが出資して出来た第三セクターである。
1981年5月1日設立され、京成電鉄東成田から芝山千代田間2.2kmを所有する日本一短い鉄道である。
芝山地区の鉄道施設は成田空港建設の見返りとして約束されたものであるが、
空港反対派などの妨害工作により開業は2002年10月27日になってしまった。

 芝山鉄道線/東成田−芝山千代田間2.2km

3600形

京成電鉄3600形3618編成をリースし、帯色や車両を変更して主に京成線内で運行している。

3600形
京成本線


 北総開発鉄道・都市基盤整備公団/北総鉄道

千葉ニュータウンの建設に伴いアクセス路線建設のために、
1972年5月10日に京成電鉄が主体となって北総開発鉄道として設立された。
その後、京成電鉄の経営悪化に伴い千葉ニュータウンの事業主体である千葉県、
1973年に事業参加した住宅開発公団(現・独立行政法人都市再生機構)、
また松戸市や市川市などの地元自治体も株式を所有する。
1979年3月9日には北総線として北初富−小室間が開業した。
当初は新京成に乗り入れていたが、後に京成に乗り入れ先を変更している。
1984年3月19日に住宅・都市整備公団が敷設した千葉ニュータウン線、
小室−千葉ニュータウン中央間の運営を受託され、
1988年4月1日には住宅・都市整備公団千葉ニュータウン線の第2種鉄道事業者となり、
両線を含めて「北総・公団線」となった。
1991年3月31日には京成高砂に乗り入れを開始、
2000年7月22日に印旛日本医大までの延伸が完了した。
住宅・都市整備公団は1999年10月1日に解散し、
業務は都市基盤整備公団に承継された。
2004年7月1日に都市再生機構(UR)に改組され、
同公団が所有していた鉄道路線は京成100%子会社の千葉ニュータウン鉄道に移管された。
この時に社名を北総開発鉄道から北総鉄道に変更した。
2010年7月17日には京成成田空港線として成田空港への乗り入れを開始、
新京成スカイライナーは北総線経由となった。

 北総鉄道北総線/京成高砂−小室19.8km
 千葉ニュータウン鉄道千葉ニュータウン線/小室−印旛日本医大間12.5km

 7000形

北総開発鉄道が開業に合わせて1979年1月に新造した通勤形電車である。
第T期線が開業した1979年3月9日に6両編成×3本=18本を製造、
その後第U期線開業時に京成、都営浅草線、京急との直通のために8両編成化され、
最終的に8両編成×3本=24両となったが、7500形との入れ換えで2007年3月に営業運転を終了した。
千葉ニュータウン鉄道9000形は足回りなどが共通設計である。
18m級、主電動機は直流複巻電動機、モーター出力130kW、界磁チョッパ制御、WN平行カルダン駆動。

 7260形

京成電鉄3300形のリース車で3300形4両編成2本のリースを受け、7260形7238編成とした。
主電動機は直流直巻電動機・100kW、制御装置は電動カム軸式抵抗制御、駆動装置はTD継手式平行カルダン、WN平行カルダンである。

編成 車両形式 京成時代の車両形式
728編成 7261+7262+7263+7264+7265+7266+7267+7268 3305+3306+3307+3308
3313+3314+3315+3316

 7300形

北総開発鉄道時代の1991年から運行を開始した通勤形電車。
京成電鉄3700系と同一スペックで製造された車両で、旧住宅・都市整備公団の9100形とも同一機構となっている。
7308編成、7318編成は京成高砂−新鎌ヶ谷間開業時の増備車として新造、
7808編成は京成電鉄3000系導入時の3700系余剰車をリースした。
現在も8両編成×3本=24両が在籍。
18m級、主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力130kW、GTO-VVVFインバータ制御、
TD継手式平行カルダン及びWN平行カルダン。

編成 車両形式 京成時代の車両形式 製造年 リース時期 製造会社
7308編成 7301+7302+7303+7304+7305+7306+7307+7308 2005年 東急車輛製造
7318編成 7311+7312+7313+7314+7315+7316+7317+7318 2005年 日本車輌製造
7808編成 7801+7802+7803+7804+7805+7806+7807+7808 3700形3808編成 1997年12月 2003年2月 日本車輌製造

 7500形

老朽化した7000系置き換えの目的で2006年2月20日から営業運転を開始した通勤形電車。
京成グループの京成電鉄3000形、新京成電鉄N800形と同一使用となっている。
2005年度、2006年度に合わせて8両編成×3本=24両が新造された。
電動車比は6M2Tで、乗り入れ先の京急、都営浅草線での走行機器も有している。
18m級、主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力125kW、IGBT素子VVVFインバータ制御、
TD継手式平行カルダン及びWN平行カルダン駆動。

編成 車両形式 製造年 製造会社
7501編成 7501-1+7501-2+7501-3+7501-4+7501-5+7501-6+7501-7+7501-8 2005年 東急車輛製造
7502編成 7502-1+7502-2+7502-3+7502-4+7502-5+7502-6+7502-7+7502-8 2005年 日本車輌製造
7503編成 7503-1+7503-2+7503-3+7503-4+7503-5+7503-6+7503-7+7503-8 2006年 日本車輌製造

 9000形

1984年の千葉ニュータウン線小室−千葉ニュータウン中央開業時に住宅・都市整備公団が自社所有車として製造した通勤形電車。
6両編成×2本=16両が新造され、登場当時から運行及び管理は北総開発鉄道に委託されていた。
誕生当時は直通する京成、新京成、都営浅草線と競合しない型式番号として2000形が付番されたが、
のちに都営浅草線と京急が直通することとなり、京急とも競合しない9000形に改番された。
北総線に管理委託する関係上から主要機器は北総開発鉄道7000形と共通のものが採用された。
1990年に中間車2両×2本=4両が新造され、8両編成化された。
1999年に住宅・都市整備公団から都市基盤整備公団に改組、2004年に独立行政法人都市再生機構に移行したため、
京成電鉄100%出資の千葉ニュータウン鉄道が設立され、同社の所有に移行した。

 9100形

9000形に続いて住宅・都市整備公団が自社所有車として増備した通勤形電車。
1995年4月1日の千葉ニュータウン線千葉ニュータウン中央−印西牧の原延伸時に8両編成×2本=16両が新造
2000年の印西牧の原−印旛日本医大延伸時に8両編成×1本=8両が新造された。
9000形と同様運行及び管理は北総開発鉄道に委託されてる。
北総線に管理委託する関係上から主要機器は北総開発鉄道7300形と共通のものが採用された。
「C-Flyer(シーフライヤー)」の愛称がつけられている。
主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力130kW、
GTO-VVVFインバータ制御、TD継手式平行カルダン及びWN平行カルダン駆動。
1999年に住宅・都市整備公団から都市基盤整備公団に改組、2004年に独立行政法人都市再生機構に移行したため、
京成電鉄100%出資の千葉ニュータウン鉄道が設立され、同社の所有に移行した。

 9200形

老朽化した9000系置き換えの目的で2013年3月1日から営業運転を開始した通勤形電車。
京成グループの京成電鉄3000形、新京成電鉄N800形、北総鉄道7500形と同一使用となっている。
現在は8編成×1本=8両のみが在籍、7500形と同様に乗り入れ先の京急、都営浅草線での走行機器も有している。
18m級、主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力125kW、IGBT素子VVVFインバータ制御、
TD継手式平行カルダン及びWN平行カルダン駆動。

北総開発鉄道
7000形
北総線
北総鉄道
7300形
北総線
北総鉄道
7500形
北総線
都市基盤整備公団
9000形

北総線
都市基盤整備公団
9100形C-Flyer
北総線


千葉ニュータウン
鉄道
9200形
北総線


 首都圏新都市鉄道

常磐新線を建設する目的で沿線の地方公共団体と民間企業が出資して1991年3月15日に設立された。
主要株主は茨城県18.05%、東京都17.65%、千葉県7.06%など沿線の地方自治体で計89.45%に上る。
運営する路線名“つくばエクスプレス”を会社名に変わって使用することが多い。
秋葉原からつくばまでのうち、秋葉原から守谷までは直流1,500V、守谷からつくばまでは交流20,000V/50Hzとなっている。

 つくばエクスプレス/秋葉原−つくば58.3km

 TX-1000系

つくばエクスプレスの直流区間である秋葉原−守谷間専用の直流通勤形電車。
6両編成×14本=84両が製造、第01編成〜第14編成が在籍。
20m級、片側両開き4扉、アルミニウム合金ダブルスキン構造、
主電動機はかご形三相誘導電動機東芝製SEA-397形、モーター出力190kW、
IGBT及びIEGT素子VVVFインバータ制御、TD継手式中実軸平行カルダン駆動。

 TX-2000系

つくばエクスプレスの全区間で走行出来る交直流通勤形電車。
6両編成×20本=120両が製造、第51編成〜第70編成が在籍。
20m級、片側両開き4扉、アルミニウム合金ダブルスキン構造、
主電動機はかご形三相誘導電動機日立製作所製EFO-K60形、モーター出力190kW、
PWMコンバータ+IGBT素子VVVFインバータ制御、TD継手式中実軸平行カルダン駆動。

TX-1000系
つくばエクスプレス
TX-2000系
つくばエクスプレス


 横浜高速鉄道

横浜高速鉄道はみなとみらい21線の事業主体として1989年3月29日に設立された。
横浜市が6割以上を出資して設立され、1990年4月19日には第一種鉄道事業免許を取得、
1992年11月から建設を開始、2004年2月1日に開業した。
開業に当たり、直通する東急東横線の横浜−桜木町間を廃止した。
1997年8月1日にこどもの国線を通勤線化するに当たり、
社会福祉法人こどもの国協会から施設を譲り受けて同線の第三種鉄道事業者となる。
2000年3月29日にこどもの国線の通勤線化が完了した。

 みなとみらい21線/横浜−元町・中華街4.1km
 こどもの国線/長津田−こどもの国3.4km(第三種鉄道事業者)、第二種鉄道事業者は東京急行電鉄。

 Y000系

1999年8月1日に営業運転を開始した東急こどもの国線用の通勤形電車。
2000年3月29日からの子供の国線の通勤線への移行に備えて2両編成×3本=6両が新造された。
車両の運行や整備は東急が担当、20m級、
主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力190kW、
IGBT素子VVVFインバータ制御、TD継手式中実軸平行カルダン駆動。

 Y500系

2004年2月1日に開業のみなとみらい線及び直通する東急東横線用の通勤形電車。
東急5000系、2080系と共通設計であり、8両編成×6本=48両が新造された。
20m級、片側4扉、軽量ステンレス鋼製、
主電動機はかご形三相誘導電動機、モーター出力190kW、
IGBT素子VVVFインバータ制御、TD継手式中実軸平行カルダン駆動。

Y000系
こどもの国線
Y500系
みなとみらい線


 愛知環状鉄道

旧国鉄特定地方交通線の岡多線と旧日本鉄道建設公団建設線をを引き継いで誕生した第三セクターである。
愛知県が中心となり、地元自治体などが出資して1986年9月19日に誕生した。
第三セクター式鉄道会社が路線廃止などの苦境に喘いでる中で、
数少ない黒字経営をしている鉄道会社である。

 愛知環状鉄道線/岡崎−高蔵寺45.3km

 2000系

自社発注車ながら、JR東海313系をベースに設計され、製造コストを抑えている。
そのため内外装も共通部分が多い。
2003年3月14日から営業運転が開始された。
2両編成で電気方式は直流1,500V、主電動機はかご形三相誘導電動機C-MT66A、
制御装置はIGBT素子VVVFインバータ制御、駆動装置はTD継手式平行カルダン方式である。

編成 車両形式 甲種輸送日 備考
Mc Tc’
G1編成 2101 2201 2002年12月29日  
G2編成 2102 2202 2002年12月29日  
G3編成 2103 2203 2003年12月6日  
G4編成 2104 2204 2003年12月6日  
G5編成 2105 2205 2003年12月6日  
G6編成 2106 2206 2003年12月6日  
G7編成 2107 2207 2003年12月6日  
G8編成 2108 2208 2004年10月12日 ※冬季架線霜取り用としてパンタグラフ2基装備
G9編成 2109 2209 2004年10月12日 ※冬季架線霜取り用としてパンタグラフ2基装備
G10編成 2110 2210 2004年10月12日 ※冬季架線霜取り用としてパンタグラフ2基装備
G11編成 2111 2211 2004年11月5日 ※冬季架線霜取り用としてパンタグラフ2基装備
G12編成→G31編成 2112→2131 2212→2131 2002年12月29日 ※イベント仕様車
G12編成 2112 2212 2004年11月5日  
G13編成 2113 2213 2004年11月14日  
G14編成→G33編成 2114→2133 2214→2233 2002年12月29日 ※イベント仕様車
G14編成 2114 2214 2007年12月18日  
G15編成 2115 2215 2007年12月18日  
G32編成 2116 2216 2004年11月5日 ※イベント仕様車
G51編成 2151 2251 2009年2月25日 ※ロングシート車
G52編成 2152 2252 2009年2月25日 ※ロングシート車


2000系
愛知環状鉄道線
2000系
愛知環状鉄道線


 名古屋臨海高速鉄道

あおなみ線は名古屋から金城ふ頭の15.2kmを結ぶ、
名古屋市や愛知県、JR東海などが出資する第三セクターである。
正式社名は「名古屋臨海高速鉄道」、正式路線名は「西名古屋港線」だが、
一般公募で決まった「あおなみ線」で統一されている。
国鉄時代に東海道本線貨物支線として出来た西名古屋港線を旅客転用するため、
1997年12月2日に名古屋臨海高速鉄道が設立され、
2004年10月6日にあおなみ線として開業した。

 名古屋港線/名古屋−金城ふ頭15.2km

 1000形

2004年10月のあおなみ線開業時に4両編成×8本=32両が日本車輌製造で新造された通勤形電車。
20m級、片側3扉、ロングシートで、車両検査などをJR東海に委託していることから走行機器は313系と共通化が図られている。
主電動機はMB-5180-A形かご形三相誘導電動機、モーター出力185kW、IGBT素子VVVFインバータ制御。

1000形
あおなみ線


 四日市あすなろう鉄道

四日市あすなろう鉄道は近鉄グループホールディングス傘下の鉄道事業会社、
近畿日本鉄道の子会社の第三セクター鉄道で、
旧近鉄の内部線及び八王子線の運営を引き継いでいる。
2012年6月29日、近畿日本鉄道は、
ナローゲージの内部線、八王子線を廃止してBRTに転換する方針を発表、
これに対して沿線の四日市市は路線存続を要望し、
近鉄と協議の結果、路線を四日市市が所有、
運営は第三セクターが行う公設民営方式が採用され、
近鉄が株式の75%、四日市市が25%を所有する、
四日市あすなろう鉄道が2014年3月27日に設立された。
翌年、2015年4月1日に鉄道施設を第三種鉄道事業者として四日市市が所有し、
運営は第二種鉄道事業者として四日市あすなろう鉄道が担当した。

内部線/あすなろう四日市−内部 5.7km
八王子線/日永−西日野 1.3km

260系

ナローゲージの内部線、八王子線は他線区からの転用が不可能のため、
四日市鉄道が開業した当時の車両が使われていた。
老朽化した旧型車両を置き換えのため、
同線開業70周年に当たる1982年に新造車両投入が決定、
制御電動車モ260形、制御車ク110形2両、ク160形3両、
付随車サ120形4両が製造された。
2014年に四日市あすなろう鉄道に移管後、
制御車ク160形2両、付随車サ180形4両が新造された。
直流750V、吊り掛け駆動方式、
主電動機出力は三菱電機ABF-54-75MA、抵抗制御。

260系ク164
八王子線
260系モ261
八王子線


 泉北高速鉄道

泉北高速鉄道は中百舌鳥から和泉中央間の路線を運営する鉄道路線で、
大阪府などが出資する第三セクター大阪府都市開発が運営している。
もともとは南海電気鉄道が敷設する予定だったが、
経営状況が厳しいことから第三セクターに建設が移行された。
路線内を折り返し運転するほか、南海電気鉄道高野線と直通運転されている。
1971年4月1日に中百舌鳥から泉ヶ丘までが部分開業し、
1995年4月1日に宮城県仙台市泉区泉中央まで延伸し、全線開業した。

 泉北高速鉄道線/中百舌鳥−和泉中央14.3km


 あいの風とやま鉄道

あいの風とやま鉄道は2015年3月14日の北陸新幹線金沢延伸に伴い、
並行在来線のうち富山県内の市振から倶利伽羅までの区間を引き継いだ、
富山県を中心に沿線自治体などが出資して誕生した第三セクター鉄道である。
同時に転換開業したIRいしかわ鉄道、えちごトキめき鉄道と相互直通する。

 あいの風とやま鉄道線/倶利伽羅−市振100.1km

 521系0番台

2015年3月14日の路線転換とともに2両編成×16本=32両が、
JR西日本より譲渡、形式名称などは変更されていないが、
外見は変更、山側と海側でデザインが異なる。
20m級、ステンレス車体、主電動機はかご形三相誘導電動機WMT102C形、
PWMコンバータ3レベルIGBT素子VVVFインバータ制御、WNドライブ。

 521系1000番台

JR西日本521系3次車をベースに2017年に2両編成×1本=2両が、
川崎重工業で自社製造され、今後も5編成まで増備予定である。
JR西日本製造車とは違いはないが、自社車両は1000番台に区分されている。
20m級、ステンレス車体、主電動機はかご形三相誘導電動機WMT102C形、
PWMコンバータ3レベルIGBT素子VVVFインバータ制御、WNドライブ。

521系
あいの風
とやま鉄道線


 IRいしかわ鉄道

IRいしかわ鉄道は2015年3月14日の北陸新幹線金沢延伸に伴い、
並行在来線のうち石川県内の倶利伽羅から金沢までの区間を引き継いだ、
石川県を中心に沿線自治体などが出資して誕生した第三セクター鉄道である。
同時に転換開業したあいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道と相互直通する。

 IRいしかわ鉄道線/金沢−倶利伽羅17.8km

 521系

2015年3月14日の路線転換とともに2両編成×5本=10両が、
JR西日本より譲渡、形式名称などは変更されていないが、
外見はコーポレートカレーでラッピングされ、加賀五彩をそれぞれ使用した。
新造2本、JR西日本既存車からの改造3本が在籍。
20m級、ステンレス車体、主電動機はかご形三相誘導電動機WMT102C形、
PWMコンバータ3レベルIGBT素子VVVFインバータ制御、WNドライブ。


IRいしかわ鉄道線


 えちぜん鉄道

えちぜん鉄道は2002年9月17日に発足した福井市や勝山市等が出資する第三セクターである。
京都と福井に鉄道路線を所有していた京福電気鉄道の福井に持つ路線を引き継いだ。
福井電鉄は2000年12月17日越前本線(現・勝山永平寺線)志比堺−東古市(現・永平寺口)間で正面衝突事故を起こし、
その半年後の2001年6月24日にも同線保田−発坂間で衝突事故を起こした。
これにより国土交通省は事故原因が解明し対策を施すまで業務停止を命令、
同年10月に福井県内の路線の廃止届けを国土交通省に提出した。
それを受けて地元自治体が第三セクターを結成して越前本線、三国芦原線を譲り受け、
越前本線を勝山永平寺線として順次再開し、2003年8月10日には三国芦原線全線が、
2003年10月19日には勝山永平寺線全線が営業再開した。

 勝山永平寺線/福井−勝山27.8km
 三国芦原線/福井口−三国港25.2km

 MC1101形

運輸省規格形車体の自社発注新製車ホデハ1001形を1981年に阪神5101形の車体を利用して更新、
後に豊橋鉄道から譲受された元国鉄101系の台車や電装品を流用して新性能、冷房化改造、
1101は2000年の正面衝突事故で廃車解体、1102のみ在籍。

 MC2101形

元南海1201形を譲受、車体老朽化のため1982年から阪神5231形を利用して更新、
両運転台ながら2両固定で運転、2両編成×4本=8両が在籍。

編成 備考
2101+2102 2005年10月30日運行終了、同年11月解体
2105+2106 2005年8月11日運行終了、同年9月解体
2107+2110 2006年5月3日運行終了、同年3月解体
2108+2109 冷房あり
2111+2112 冷房なし
2113+2116 冷房あり
2114+2115 2114は冷房あり、2115は冷房なし


 MC2201形

元阪神3301形を19864年に譲受、台車を国鉄101系の廃車発生品に交換、床下機器の配置変更で冷房電源用MGを設置。

編成 備考
2201 2001年の正面衝突事故で廃車
2202 2006年5月3日運行終了、同年6月解体
2203 2006年5月3日運行終了、同年6月解体
2204 在籍


 MC5001形

1999年に武庫川車両工業で製造された京福電気鉄道自社発注車で、製造時はモハ5001形となっていた。
両運転台、片側3扉、ロングシートで、モハ5001、モハ5002の2両が製造された。
2001年6月24日に発生した正面衝突事故により5002が大破、廃車となり、
えちぜん鉄道には5001の1両のみが継承された。
主電動機は直巻整流子電動機MT46形×4基、直並列電動カム軸式抵抗制御、中空軸平行カルダン駆動。

 MC6001形

愛知環状鉄道で開業時の1988年に導入された100系を廃車後の2003年8月25日に譲り受け、
片運転台100形の片側に運転台を設置、両運転台の1両編成として2両が誕生した。
19m級、片側片開き3扉、主電動機は直流直巻電動機MT54形、永久直列電動カム軸式抵抗制御、中空軸平行カルダン駆動。

えちぜん鉄道
形式
愛知環状鉄道
形式
6001 100形103
6002 100形108


 MC6101形

愛知環状鉄道で開業時の1988年に導入された100系を廃車後の2004年から2006年にかけて譲り受け、
両運転台300形は片運転台に改造し、片運転台2両編成として、2両編成×6本=12両が誕生した。
19m級、片側片開き3扉、主電動機は直流直巻電動機MT54形、永久直列電動カム軸式抵抗制御、中空軸平行カルダン駆動。

えちぜん鉄道
形式
愛知環状鉄道
形式
6101 100形101
6102 100形102
6103 100形104
6104 300形302
6105 300形301
6106 300形303
6107 100形107
6108 100形109
6109 100形105
6110 100形106
6111 300形304
6112 300形305


MC1101形
勝山永平寺線
MC2101形
三国芦原線
MC2201形
三国芦原線
MC5001形
三国芦原線
MC6101形
勝山永平寺線




REI RINGONO Electric railcar
All rights reserved,
Copyright (C) Semisweet Apple Company and REI RINGONO 2012-2023